むかしかすてらの特徴・ゆばらのかすてらからの改良点

ラベル
 ゆばらのかすてらのラベルはインパクトがあると言われますが、実は設計士が作ったものです。
 それはそれで良い部分もありますが、なぜ方眼に区切ってあるのか(実際にこんなカットの仕方はしませんよね)、ゆばらの意味があるのか(実際に同じ意匠で文字を変えたうえ町のかすてら、千明さんのかすてらがあります)と、掘り下げて意味を持たせたものはありませんので、全く違うコンセプトで考えたものにしました。
 1. 木材の町、久世をイメージしたデザイン
 2. 久世の地域を明確にすること
 3. むかしながらの味という命名
 4. 添加物を使用していないという事を明確に記す
 5. 意匠がシンプルな分、紙色を弾ませ、文字を引き立たせる
 1,2,4 については 本焼きかすてら も同様です。

材料が良い
 小麦粉について
   仕入れ業者に尋ねて最高のグレードのものを使用しています。当時「こんないい粉を使っている所は他にない」と言われたそうです。一代目は「小麦粉が一番難しい」と言っていました。
   試作品を食べた一代目は「これはいい!」と言ったそうです。のれん業者にも使うように言ったそうですが、のれん業者は「味は変わらない」と言い、使用を拒否したとのことです。
   原価は上がりますが一代目は「原価は価格からすると小さいので、それよりも美味しいものを作れ」と言い、二代目はこの材料に置き換えました。
   特徴としては製粉度が高く生地の肌理が細かくなることと香りがほとんどしないことです。一代目・二代目は材料の香りが出ることを特に気にして神経を使っていました。
   当店のかすてらを長崎の名人が食べたことがありますが「これは上品なカステラだのう」と言ったそうです。

 水あめについて
   香りのよい特別な水あめを使用しています。また、蜜を作る際に使う水は天然水を使用しています。
  やはり原価は高くなります。

砂糖について
   本焼きかすてら からの技術で味の良い砂糖を配合しています。特にカラメル化した際の香りが違います。

ザラメについて
   本焼きかすてら からの技術でザラメが残りやすくなっています。

生地
   本焼きかすてら からの技術で夏場でも生地がダレにくく、美味しく食べられるようになっています。一代目のゆばらのかすてらは、戦後に始めたせいもあり、時代的に材料が限られていましたが、今は様々な材料があります。また、本焼きかすてらを作った三代目はパッケージを自分で作ることができるため様々なかすてらを試作することができました。結果的に生地の改良に最適な製法・材料を決定することができましたのでそのノウハウを利用して生地をしっかりと保持させることができました。
   三代目は三歳の頃からゆばらのかすてらを食べて育っており、季節や条件によりゆばらのかすてらの味が変化することやその弱点を熟知していますのでこのような商品特性上の改良を行うことができました。


  本焼きかすてら からの技術で産地を管理しています。市場には様々な鶏卵が流通しますが、美作産の卵だけを厳選して使用しています。。
  以前は九州の卵も使用していましたが、環境汚染の影響を考慮してより安全で品質の良い物だけを選別した結果、産地を特定するという結果に行きつきました。工場の汚染を防ぐ意味もあります。
  カステラの生地を見れば卵の質はある程度分かりますが、生地が整わないため当店では破卵など原価の安い卵は使用しておりません。
  有名な福砂屋さんでは自家飼育して品質を守っているというお話を伺ったことがあります。卵は生ものですので産地管理や品質管理は必要で、もっとも気を遣わなければならない材料の筈です。

蜂蜜
  蜂蜜については一代目より付き合いのある業者より何十年も信頼のある材料を使っており、品質も確認しています。国産でよくある水飴を添加してかさ増しした製品は使用していません。

 

正凜堂にはさらに材料のよいかすてら何種類かあります

 

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